青森県との意外なつながりも!機能美と歴史が融合する【ロンジン スピリットZulu Time】は至高のトラベルウォッチ
パイロットウォッチとは?
ひとくちに腕時計と言ってもその種類は膨大であり、その用途ごとにカテゴライズされて紹介されることがほとんどです。フォーマルな場面に向くドレスウォッチや、防水性能に特化し潜水時間を測ることができるダイバーズウォッチなどが代表例ではありますが、このふたつに加えて世界中の時計愛好家から注目されているのがパイロットウォッチになります。
その特徴としては、強い日差しや夜間の暗闇など多様な条件下でもひと目で時刻が確認できる視認性、機体の上昇下降に伴って生じる急激な気圧・温度変化に対応できる高い気密性、コックピット内の各種計器が発する磁場に時計の精度が影響を受けない耐磁性、これらを兼ね備えていることが必要となるでしょう。
極限状況でも信用できるツールとして作られるパイロットウォッチではありますが、上記の特徴をもつ時計は日常使いでもメリットが大きく、航空機の操縦桿に縁のない場合でもそのロマンを感じつつ普段の生活で愛用している方が多いのですね。
ロンジンとパイロットたちの歴史
人類が航空機を発明し大空に進出して以降、数多くの時計メーカーが個人や組織、国家の要請を受けてパイロットをサポートする時計を開発してきましたが、スイスの老舗ブランドであるロンジンもその発展に大きく寄与してきました。
1908年に2つのタイムゾーンを表示する初めてのポケットウォッチを発表したのち、1925年には腕時計においても第2時間帯の表示機能を持たせたモデルを開発するなど、航空機での飛行がまだ命がけだった時代からその挑戦・任務の手助けとなるようなアイデアを他メーカーに先駆けて実現してきたことが知られています。
当時のロンジン製時計を愛用していたパイロットとして知られるのは、航空航法の父として知られるウィームス大佐や女性初の大西洋横断単独飛行に成功したアメリア・イアハート、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したチャールズ・リンドバーグなどそう錚々たる顔ぶれです。
ロンジン スピリット Zulu Timeの誕生
ご覧のようにパイロットウォッチの歴史に大きく影響を与えたロンジンですが、これまでの伝統と最新の技術をもって現在送り出しているモデルのひとつが今回ご紹介するスピリット Zulu Time(ズールータイム)です。

ロンジン スピリットは2020年に発表されたパイロットウォッチのシリーズで、アラビア数字のインデックスや高精度を意味する五つ星がヴィンテージモデルから着想を得ていることをうかがわせつつ、エッジの立ったケースには幅広の面取りを施すなどモダンさも加えられています。全体としては時代に左右されないオーソドックスなデザインでまとめられており、パイロットと深い関わりがあったロンジンからのリリースだったことも相まってすぐに人気モデルとして定着することになりました。
そしてそのスピリットシリーズのデビューから2年後、第2時間帯表示機能を持つトラベルウォッチとしてラインアップに加わったのがスピリットZulu Timeです。

卓越した機能性とデザイン
新たに追加された24時間針と単独で時差修正可能な短針、さらに24時間表示のあるセラミック製両方向回転ベゼルを駆使することで、自身が海外に行く場合と親しい人が海外にいる場合のいずれのシチュエーションでも時差を把握できる時計となっています。
搭載されるキャリバーL844.4は持続時間72時間の自動巻きムーブメントで、COSCによるクロノメーター認証を受けた高精度機です。
精度の要となるシリコン製ヒゲゼンマイは磁気や温度変化の影響を受けづらい特性をもち、まさにパイロットウォッチが置かれる環境とは好相性なパーツ素材と言えますね。

専用のメタルブレスレットは裏側からボタンを押すことで工具なしでも時計本体と脱着が可能となっており、替えストラップを用意すれば気分に応じて交換できる点もユーザーフレンドリーで好印象です。
サイズ展開はコンパクトで装着性に優れる39mmと堂々として高い視認性をもつ42mmの2種類で、カラーリングはブラックベゼル・グリーンベゼル・ブルーベゼルの3種類に加えて、39mmのみの設定でステンレススチール&18Kイエローゴールドとチタンの2種類がラインアップされています。多様なバリエーションの中から、ご自身の腕の太さやファッションスタイルなどお好みに応じて選んでいただけます!

"Zulu Time"とはどのような意味?
さて、モデル名の聞き慣れないZulu Timeというフレーズはどのような意味があるのでしょうか。
調べたところによると、航空や軍事、通信の分野で本初子午線(経度0度)を中心とする時間帯をZで表すことから「Z時間」と呼び習わしており、また無線通話などで正確にアルファベットを伝える際に用いられるフォネティックコードではZを「Zulu」と呼んでいたことから、「Z時間 = Zulu Time」となったようです。
航空の世界では以前はGMT(グリニッジ標準時)、現在はUTC(協定世界時)で時刻を把握し運航を管理していますが、Zulu Timeも呼び名が違うだけでそれらと同じ意味なので複数の時刻を表示するトラベルウォッチにはうってつけのネーミングと言えますね。
ちなみに、前述した1925年開発の第2時間帯表示付の腕時計にも同じ呼び名を付けていたとのことなので、今作は2代目Zulu Timeとも呼べるのかも知れません。
青森とロンジンの深いつながり
ここまでスピリットZulu Timeの完成度の高さとその由来を紹介してきましたが、実は青森とロンジンの間に奇妙な縁があることをご存じでしょうか。
時はさかのぼり1931年、史上初の太平洋無着陸横断飛行がアメリカ人飛行士のクライド・パングボーンとヒュー・ハーンドンの二人によって達成されます。機体にはロンジンが開発した特製のコックピットクロックが備え付けられ、二人をサポートする役割を見事担っていました。
そして歴史に名を残すことになるその挑戦の出発地が青森県三沢市の淋代(さびしろ)海岸だったのです!
出発前の飛行士二人に対する三沢の人たちのサポートは手厚かったと言われており、到着地のアメリカ合衆国・ワシントン州ウェナッチバレー(現在のウェナッチ市と東ウェナッチ市)には三沢産のリンゴも持ち込まれたようです。それを機にふたつの町の交流が始まり、現在でも姉妹都市の関係が続いています。
付け加えると横断飛行に成功した機体「ミス・ビードル号」は、まさにリンゴのように真っ赤なカラーリングだったというのですから単なる偶然としては出来過ぎと思えてしまいますね。ちなみに復元されたミス・ビードル号は青森県三沢航空科学館に展示されているので機会を見つけて是非ご覧になってみてください!
ロンジン スピリット Zulu Timeが叶える、新たな旅
さて、青森とロンジン、そして勇敢なパイロットの意外な結びつきを知ると、ご紹介したスピリットZulu Timeも特別な意味がこもった時計に見えてくる方がいることでしょう。
現代では物理的な移動をともなわなかったとしても、オンライン上でのやりとりなど時差を越えたコミュニケーションが必要とされるケースは増える一方なので、時計メーカー各社も今までになく第2時間帯表示のあるGMTウォッチの開発に力を入れています。
そんな中ロンジンが送り出しているスピリットZulu Timeは、古くからパイロットに支持されている正統派ブランドであること、時代を超える普遍的なデザイン、高スペックで扱いやすい第2時間帯表示付ムーブメントという三拍子揃ったバランスのいい秀作です。
価格もメタルブレスレット仕様で税込\489,500(2024年9月時点)と高スペックの自動巻きGMTウォッチとしては納得感ある設定となっており、他社の競合製品と比べてみるといかにこの時計が魅力ある選択肢となるかご理解いただけると思います。

現代のトラベルウォッチのベンチマークと呼んでも過言でないロンジン スピリットZulu Time。是非金正堂本店でその完成度の高い仕上がりをご確認下さい!